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経営のイノベーションを考えてみましょう

中小企業診断士 中島誠

新型コロナウィルスの影響により、多くの企業が経営の悪化に苦しんでいます。

従業員の雇用を守ったり、経費払いの資金を手配したり、感染を防ぐ対策をしたり、これまでとは違う業務で多忙な経営者の方も多いことでしょう。

 

現状をみる限り、このような状況がすぐに終息する可能性は低く、今後も厳しい経営環境が続くことが予想されます。この状況の改善をただ待つのではなく、経営のイノベーションの機会と捉えてはいかがでしょうか。

 

経営のイノベーションといっても、大げさに考える必要はありません。イノベーションは、新事業の立上げのような大掛かりなことだけではなく、販売方法や生産方法を変えたり、簡単な商品改良等も含まれます。それぞれの企業ができることから始め、新たな顧客の獲得や生産性の向上につながれば、イノベーションの価値は十分にあります。

 

イノベーションの見つけ方

それでは、経営のイノベーションをどのように見つければ良いでしょうか。

経営学者のP.F.ドラッカーは、イノベーションのための機会を7つ挙げています。

①予期せぬ成功と失敗  ②ギャップの存在  ③ニーズの存在  ④産業構造の変化

⑤人口構造の変化  ➅認識の変化  ⑦新しい知識の活用

 

現在の状況では①~③が、経営のイノベーションを見つけるには適切な機会だと言えます。この3つの機会において、コロナの影響が出る前と影響が出た後を比較して、どのような変化が発生しているかを考えてみてください。

 

①予期せぬ成功と失敗・・コロナ影響前にはうまくいっていなかったことが、コロナ影響後にうまくいき始めたことはありませんか。

②ギャップの存在・・コロナ影響後に、これまでの認識と変わったことや価値観が変わっ

たことはありませんか。

③ニーズの存在・・コロナ影響後に顧客からの要望が変わったことはありませんか。

 

上記の変化は小さく、気付かないことも多いと思いますが、その変化を見逃さないことが大事です。その変化に気付いたら、自社で何をすべきかを考え、実行してみてください。この流れが、経営のイノベーションの第一歩です。

 

以上