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コロナ禍における事業戦略の見直し

中小企業診断士 小黒光司

コロナが一向に収まる様子を見せておりません。

 

月間のGDPが前年比9%下回った状態が続いており、多くの企業が売り上げ減少に苦しんでおります。

コロナが安定したら業績は元に戻るだろうという想定で3月以降各種補助金、特別融資制度が導入され当面の資金繰りが解消されました。

しかし、すでに8か月が過ぎても一向に状況が改善される兆しを見せていません。

 

特に飲食業、観光業、人の集まるサービス業においては前年を50%以上下回る売り上げとなっています。一方食品スーパー、IT関連業種においては大幅な増収となっています。

 

前年を30%以上売り上げが落ち込んでいる業種においてはコロナ禍が回復するのを待つのではなく根本的な事業戦略の見直しを行う必要があります。多くの企業がコロナ対策融資を受けており、現在のところ手持ち資金に窮している企業は少ないと思われますが、今後返済時期を迎えるときに経営が軌道に乗っていない場合は一気に倒産ということが予想されています。

 

事業戦略を見直すにはまず現在の事業モデルと経営資源を正しく把握する必要があります。

特に小規模事業者においては従来からの経験に基づく事業展開をしており、急激な外部環境変化に対応する計画が立てられていないのが現状です。

 

事業戦略を見直す場合、まず行うことは現状の得意先、商品別に前年と比べてどれだけ売上が落ちているかを比較します。簡単にコロナのせいにするのではなく得意先や商品によってはそれほど落ちていないところもあると思います。これをもとに1年間の動きを見直します。

 

これをもとに現状に基づいて今期決算の予想を立てます。売上が前年比30%減以内であれば、何とか今期純利益ベースで黒字にできる可能性があります。当然営業利益は赤字になりますが、固定費の削減、借り換え融資による支払利息の削減、各種助成金、補助金で特別利益、の三つの要素で見通しを立ててください。

 

一方で1.新しい売り方、2.新規得意先開拓、3.新規商品の開発や取扱、を検討してください。

 

特にIT化により、非接触、テレワーク、サプライチェーン(物流)に関する投資計画については多くの補助金活用が可能です。

自助、共助、公助が話題になっていますが、これを支援する国家資格が中小企業診断士です。

 

自社にとって必要な支援についてお近くの中小企業診断士に相談してください。