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新型コロナウィルスに社員が感染したらどうするか

中小企業診断士 佐藤正樹

執筆時点(2021年6月10日)で新型コロナウィルスへの全国的な感染はまだまだ収束が見えない状態が続いています。筆者の周辺でも感染者や濃厚接触者の出現を聞くことが増えました。自分の会社で感染者がいつ発生してもおかしくない状況です。

そこで、自分の会社で新型コロナウィルスに感染者もしくは感染疑いの社員が発生した場合にどのように対応すれば良いのかをご紹介いたします。

 

従業員もしくは家族から発熱があると連絡を受けた場合の対応

まずは自宅待機させます。就業中であれば帰宅させます。濃厚接触などの覚えがあれば「新型コロナコールセンター(0570-550571)」に電話してもらいましょう。

 

この際、新型コロナウィルスへの感染か分からず、従業員が自主的に休む場合は、通常の病欠と同じ扱いとなります。使用者の判断で休業させる場合には、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要がありますので注意が必要です。

 

自宅待機後の症状別の対応

(1)3日程度以内に解熱、症状が緩和

従業員からかかりつけ医に職場復帰が可能か相談してもらいます。発症後から少なくとも8日経過している、薬剤内服のない状態で発熱などの症状が消失して少なくとも3日程度経過していることが目安となります。

 

(2)3日程度しても発熱が治まらない

まずは従業員からかかりつけ医に電話で相談してもらいましょう。直接、行ってはいけません。かかりつけ医がいない場合は「東京都発熱相談センター」(03-5320-4592)に従業員から電話で相談してもらいましょう。

 

感染の疑いがあると判断された場合

かかりつけ医や東京都発熱相談センターから、最寄りの新型コロナ外来を紹介してもらい、受診してPCR検査をすることになります。

陰性であれば自宅で安静にし、医師の指示に従います。症状が改善しない場合は再度、かかりつけ医または東京都発熱相談センターに相談します。

 

PCR検査が陽性となった場合

入院もしくは宿泊・自宅療養となります。

医療機関からその地域の保健所に連絡が行きます。会社からは会社所在地の保健所に連絡して指示に従いましょう。保健所の調査に協力するために「発症日、勤務場所、感染者の業務内容、フロア図・座席など、濃厚接触者」を文書化しておきましょう。

濃厚接触の疑いがあれば、社内や顧客、協力会社などに通知する必要があります。自社がクラスターの発生源になりかねないので隠さずにきちんと伝えることが必要です。

 

事務所の消毒、閉鎖

保健所からの指導に従い、事業者が職場を清掃、消毒します。この場合、費用は事業者の負担となります。感染者付近のエリアや事業所の一部を閉鎖します。

事業所の閉鎖となると事業の継続に支障を来しますが、事前に事業継続計画(BCP)を策定して対策しておきましょう。

 

以上