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SDGsのススメ

中小企業診断士 山浦直晃

今年7月には、欧州連合(EU)欧州委員会が、環境規制の緩い国からの輸入品に課税する「国境炭素税」の導入を発表するなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進展しています。

 

中小企業白書(2021年)の第2部でもSDGs/ESGについて取り上げられており、実際に中小企業に新たに進出を検討している成長分野を聞いたところ、「環境・エネルギー」が12.9%と最も高く、環境問題への関心が高まっていることがうかがえます。

そこで、SDGsについてご説明します。

 

1.SDGsとは何か

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年に国際連合で採択されました。2030年のあるべき姿を描いた17の目標と、それらの目標を達成するための具体的な169個のターゲットが定められています。17の目標は、わかりやすいカラフルなアイコンで表現されているため、ご覧になった方も多いと思います。

 

2.なぜ世界でSDGsが注目されているのか

色々な理由がありますが、1つにはSDGsの達成により、年間12兆ドルの市場機会が創出されると見込まれていることが挙げられます。これによって、社会課題解決の指標として世界中の政府、企業、投資家からもっとも認知されるにいたったと考えられます。SDGsと関連が深い取り組みとして、持続可能な社会への取り組みを評価するESG投資が普及しています。

 

3.なぜ近年、日本国内でもSDGsが注目されているのか

こちらも色々な理由がありますが、世界有数の投資機関である日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2015年にESG投資にコミットしたことが大きな影響を与えたと考えられます。これによって、金融機関を中心にESG投資への関心が高まりました。

また、近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」のように、もともと日本文化自体がSDGsの理念と親和性が高いことや、Z世代とも呼ばれる若者を中心に国内においてエシカル消費(人・社会・地域・環境に配慮した消費行動)の関心が高まっていることも影響があると考えられます。

 

4.中小企業とSDGs

先に挙げたエシカル消費に対応した商品・サービスの開発、製造、販売がビジネスチャンスにつながると考えられます。

また、社会的な要請により、大企業を中心にSDGsに配慮したサプライチェーン管理を求める傾向が強まっています。その結果、今後は大企業のサプライチェーン内にいる中小企業にも、コンプライアンスに則った調達・製造が求められるケースが増加すると考えられます。

 

こうした潮流から、中小企業がSDGsに関わる機会は今後ますます増えていくと考えられます。

以上