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パソコンの整理整頓

中小企業診断士 春山英太郎

パソコンは、多くの業務で活用できる便利なツールです。今では、使っていない人を探す方が難しいかもしれません。事業を営まれている経営者の方であれば、必須のツールですね。ただ、その利用方法は人によりさまざまです。

 

 

デスクトップはきれいですか

少し残念な例として、デスクトップにファイルをたくさん表示されている方がいらっしゃいます。

現在取り掛かっているファイルは把握できていても、人間は忘れっぽい生き物です。

なぜ保存していたのかわからないファイルもあるのではないでしょうか。

 

フォルダを使っていても、場当たり的に作成されている方も見受けられます。

あのデータはどこにあったのかなと、パソコンの検索機能を使っても、時間もかかりますし、フォルダやファイルの命名規則が定まっていないと、なかなか目当てのデータにたどり着きません。

パソコンでデータを探す時間は、もったいないです。小さなことではありますが、素早くデータにアクセスできることは、生産性を高める方法だと考えます。

 

 

5Sはご存じですか

5Sという言葉があります。製造業の方はよくご存じだと思いますが、以下にご紹介します。

1)整理:不要なものを処分する

2)整頓:必要なものを使いやすい場所に置く

3)清掃:きれいに掃除して点検を行う

4)清潔:清潔な状態を維持する

5)しつけ:4つの「S」を習慣づける

 製造現場において、職場環境改善のために用いられる考え方です。パソコンの中身も、5Sが維持された状態を保つことが理想です。

 

 

パソコンのフォルダ管理のコツ

業務内容によって方法はいろいろとありますが、パソコンではフォルダの管理が重要だと考えます。

たとえば、プロジェクトや取引先ごとにフォルダを作成する方法があります。

さらに、時間とともに増加するものは、日付を付けることをお勧めします。

仕事関連を入れるフォルダの配下に、「20221201_プロジェクト名」などのように「日付+業務名」のフォルダを作成すると、データの流れを把握しやすくなります。

 

フォルダが多くなるようであれば「2022」や「プロジェクト」など、目的にあわせた分類用のフォルダを作成しても良いかもしれません。ただ、あまり階層を深くしないように注意してください。クリック数が多いと、効率が低下してしまいます。

 

Windowsをお使いの方であれば、エクスプローラーの機能であるクイック アクセスを利用することをお勧めします。Windows10とWindows11で使い方は異なりますが、フォルダをクイック アクセスにピン止めすると大変便利です。

 

また、ブラウザからデータをダウンロードするフォルダも決めておくと、後で迷うことがありません。分類先に困る場合は、一時保存用のフォルダも作成しておくと、必要か不要か後で判断できるのでお勧めです。

 

ルールを決めておきましょう

まずは、ご自身でルールを決めることが第一歩です。

最近ではDXの推進として、クラウド上にデータを保存することも多くなっています。

データ保存をメインの機能とするストレージサービスから、各種業務サービスに付随してデータを保存できるものもあります。

スマートフォンからもデータにアクセスできて大変便利ですが、複数人での利用が想定されます。

社内の共有環境であればなおのこと、ルールを決めておく重要性は高まります。データ制限もあることから、不要なものを削除するルールも必要になるかもしれません。

 

 

また、適宜データを整理し、不要な情報を処分することが必要です。処分といっても、バックアップ用のハードディスクに移されることをお勧めします。その際には、必要なものを使いやすい場所に置かれているか、ルールの見直しもあわせて行ってはいかがでしょうか。

 

まとめ

 

 

 

 

2022年1月より、改正電子帳簿保存法が施行され、電子取引で扱った電子データを紙に出力しての保存ができなくなりました。電子データの保存義務化は、準備期間として、2023年12月末まで2年間猶予されることになっています。ただ、猶予されるとはいえ、電子データの扱いがより重要になったと考えることができます。

 

今年の年末は、パソコンの大掃除を行って、必要な時に必要なデータが見つかる「パソコンの5S」を実現し、生産性の向上を目指されてはいかがでしょうか。

以上