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期初における社員向け経営計画の発表会

中小企業診断士 佐藤正樹

企業で期初を迎えてもいつもと変わりなく、なんとなく業務が始まる会社が多いのはとても残念です。

 

ある会社で社長にお聞きしたところ、計画を言わなくても社員は方向性を理解していると豪語した社長がいました。しかし、社員には伝わっていないことが多く、節目節目にきちんと会社の状況や方向性を説明すべきと考えます。

 

私が関与する先でも、期初に発表すべき計画を半年前から練り始めて期初に全社員に向けて発表してもらうようにしています。

経営計画発表は、経営者だけでなく、すべての社員にとっても重要なイベントと捉えるべきです。個人でも新年になると思いを新たに決意して気が引き締まるのと同じで、この緊張感を企業の期初でも活かすことができます。

 

以下に期初の経営計画発表のメリットを記載します。

 

1.中期的なビジョンと方向性の共有

 期初に経営計画を発表することで、社員全員が中期のビジョンと年度の方向性を理解することができ、会社としてのまとまりを生みます。

 

2.モチベーションの向上

 経営計画の発表を通じて、社員は自分たちがどのような目標に向かってどのような役割を果たすのかを知ることができます。個人のモチベーション向上に繋がり、業務の質や生産性の向上にも寄与します。

 

3.重点課題の明確化

 経営計画の中で、その年の重点課題を明示することで、社員はどこに注力し、どの部分で改善を求められるのかを理解できます。

 

4.コミュニケーションの活性化

 経営計画の発表は、社員とのコミュニケーションを促進します。社員からの質問やフィードバックを受け取ることで、経営者も組織の現状やニーズを深く理解することができます。

 

期初の経営計画発表は単なる儀式ではありません。成長のためのスタート地点となる重要なイベントですので、発表会の実践をおすすめいたします。

以上