中小企業診断士 大口憲一
窓口相談の相談内容で、圧倒的に多いのが補助金に関することです。
そこで今回は補助金探しのポイントについてまとめてみました。
補助金募集が最も多い時期
「○○に使える補助金はないですか?」というご相談がよくあります。
調べてみて、該当する補助金は見つかるものの、「既に募集は終了しました」ということが多く、タイミングを逃してしまうパターンがよくあります。
では、補助金を探すベストタイミングはいつなのでしょうか?
私は2~3月ごろがベストだと思っています。
その理由は国や自治体の予算が大きく関係しています。
補助金の原資は税金であることから、補助金事業は実施する主体(国、都道府県、区市町村)の予算案が可決されないと実行できません。一般的に当初予算と呼ばれるものについては1~2月ごろに予算案が組まれ、議会に諮られ、3月ごろに予算案が可決するというパターンが多いです。
毎年継続して行っている補助金事業の担当者は事前に制度設計をしておき、予算が可決された段階で募集活動を始めるということが多いようです。極端な例だと、3月の予算可決を前提に募集を開始する自治体もあり、気が付くと4月で募集が終了してしまう…ということもあります。
予算を見てみよう
国(経済産業省)、地方自治体は翌年度の予算を大体その年の1月ごろにホームページで公開しています。
「2~3月が補助金を探すベストタイミング」というのはこの段階でおおよその補助金事業がこの予算のホームページでわかるためです。概略ではありますが、来年度どういう事業をするのかが記載されていますので、ここでどういう補助金をするのかある程度把握できます。
また新年度から始まる新しい補助金も見つかるかもしれません。
また、外部情勢の様々な変化に対応するため、補正予算で新しい補助金を出すのも最近増えています。自治体にもよりますが、大体6月、9月、12月ごろに補正予算が上がる可能性があります。補正予算も都度内容がホームページに公開されるので定期的に確認すると意外な補助金が見つかるかもしれません。
区市町村の補助金にも注目
補助金というと国や都道府県の補助金に注目されがちですが、区市町村も中小企業支援のための補助金を出していることがあります。国や都道府県が出す補助金と比べ、金額や内容は見劣りしますが、競争率が低く、また補助金採択後を含めた手続きも難しくないことから、応募しやすい、採択されやすいというメリットがあります。また区市町村の事情に沿った特殊な補助金を出しているケースもあるので、本社のある区市町村のホームページ(事業者向け補助金情報)を確認してみてください。
こういう形で補助金を探すことは可能ですが、近年要件が複雑化しており、自社が対象なのかどうか、どの枠で応募すればよいのかが非常にわかりにくくなっています。「応募してみたが申請対象外だった」ということがないよう、どの補助金が合っているかどうか、お近くの専門家にご相談ください。
以上