中小企業診断士 足立秀夫
SDGsは、持続可能な世界を実現するために2015年9月の国連サミットで採択された2030年までの国際的な中長期目標で、17の目標を設定しています。
帝国データバンク横浜支店が2023年8月に発表した神奈川県内企業の意識調査では、SDGsに積極的な企業は51.1%となり、SDGsの達成に向けた取り組みに対する意識は前年より増加して半数以上の企業が前向きな姿勢を示す結果となっています。
SDGsに興味を持つ経営者が増えていますが、中小企業がSDGsに取り組もうとすると、どこから手を付けていいのかよくわからないという声もあります。企業がSDGsに取り組むためのガイドは、国内外の様々な機関から発行されています。その中でよく参照されているのが「SDGコンパス」です。
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SDGコンパス
SDGコンパスは、UNGC(国連グローバル・コンパクト)がGRI(グローバル・レポーティング・イニシャティブ)、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)と共同で作成した企業向けのSDGs取組みのガイドです。
SDGコンパスでは、SDGsの理解、優先課題の決定、目標の設定、経営への統合、報告とコミュニケーションという5つのステップを示して解説しています。
ステップ1:SDGsを理解する
SDGsの取り組みは、SDGsへの理解がなければ何も始まりません。そのため、まずはSDGsを理解することから始めましょう。
ステップ2:優先課題を決定する
次に、将来の社会・環境・経済状況などを考えて取り組む優先課題を決めていきます。
自社商品の調達から販売、廃棄に至るまでの一連の流れを見渡して優先課題を考えてみましょう。
ステップ3:目標を設定する
優先課題を決めたら、目標を設定しましょう。
この際、設定した目標は公表するのがおすすめです。公表することで、ステークホルダーとの建設的な対話につながります。
ステップ4:経営へ統合する
設定した目標を事業に取り組み、経営に統合します。事業に取り組むことで社内に浸透させやすくなります。
ステップ5:報告とコミュニケーションを行う
目標に向けての進捗を社内外に報告します。ホームページなどを通して情報発信する企業も増えています。
まとめ
中小企業には高いハードルと思ってしまうという声もありますが、「あまり考えずにとにかくやってみること」に尽きます。取り組むには、社員の理解を得たうえで始めましょう。
気になることがあれば中小企業診断士に相談してください。
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