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事業は少数に絞るべきか、複数の事業を持つべきか

中小企業診断士 中島 誠

 

今回は「事業は少数に絞るべきか、複数の事業を持つべきか」について考えていきたいと思います。

 

数週間前に、ある大手総合スーパーの大量閉店について報道がされました。かつて総合スーパーは衣食住の商品が何でも揃っているお店として消費者から支持され、成長してきました。しかし、時代の流れの中で、徐々に勢いをなくしてきたことは否めません。

 

勢いがなくなった要因の一つとして、カテゴリーに特化した他企業の拡大があると考えられます。その例として、家電量販店・ファストファッション店・家具の専門店などが上げられます。それぞれが専門に特化した商品を販売した結果、総合スーパーからそれぞれのカテゴリーの販売を奪ったと考えられます。

 

 

一方で、コロナ禍では1つの事業だけではなく、複数事業があった方が良かったことがありました。一つの事業がコロナ禍の影響を受けたとしても、別の事業で補填できた企業も多くあったと考えられます。事業再構築という考えを基に、新たな事業への参入を国も補助金等で後押ししてきました。飲食店がテイクアウトやキッチンカー事業への進出が多く見られました。

 

しかしながら、現在コロナ禍は落ち着き、コロナ禍で始めた事業が上手くいっている場合ももちろんありますが、逆に改善が見えてきた本業に対して悪影響を与えているケースも多く見られます。

 

 

上記の2つから考察すると、事業が複数あることで成長や危機を乗り越えたことがある半面、複数の事業が経営の重荷になることも見て取れます。コロナ禍が落ち着いた今だからこそ、この機会に事業を評価してはいかがでしょうか。

 

事業を評価する視点は以下になります。

項目 チェック内容
 収益性

 現時点で利益が出ているのか。

その利益は他の事業と比較して十分といえるのか。

成長性

これまで売上は伸びてきているのか。

今後も成長が期待できるのか。

継続性

(運営面)

人員的に事業を継続していけるのか。

追加投資が必要になった際に資金を捻出できるのか。

相乗効果

他の事業に良い影響を及ぼしているか。

他の事業とカニバリゼーション(共食い)を起こしていないか。

せっかくここまでやったのだからと事業を続けたいと考えることも理解できますが、止める勇気も必要です。埋没コスト(すでに事業に使った費用や労力で回収できていない費用)を取り返したいと考え、無理に事業を継続することは避けてください。

上記の事業評価の視点を参考にして、客観的に判断することをお勧めします。

以上