· 

「採算の可視化の取り組むコツ  中小企業の小さな一歩」

中小企業診断士、上級ウエブ解析士 金綱 潤

 

中小企業や個人事業主の方にとって、採算の可視化は非常に重要な課題です。会社全体の売上や利益は把握できていても、「どの商品が儲かっているのか?」「どの部門が赤字なのか?」といった詳細までは分からないという声をよく耳にします。価格転嫁やコスト削減を検討するにも、まずは現状を正しく把握することが不可欠です。

そこで今回は、財務初心者の経営者の方でも取り組める「採算の見える化」のステップを、分かりやすくご紹介します。

 

ステップ1:売上と原価を“単位別”に分けて記録する

まず最初に取り組むべきは、「売上」と「原価」を商品別・サービス別・部門別などの単位で分けて記録することです。これを「部門別損益管理」と呼びます。

例えば、飲食店を経営している場合、「ランチメニュー」「ディナーメニュー」「テイクアウト」などに分けて、それぞれの売上と食材費、人件費などの原価を記録します。Excelや無料の会計ソフトでも十分対応可能です。

この段階では、完璧な精度を求める必要はありません。まずは「ざっくりでも分けてみる」ことが大切です。

 

ステップ2:粗利益を算出する

次に、各単位ごとに「粗利益(売上-原価)」を計算します。粗利益がプラスであれば、その商品や部門は利益を生み出していることになります。逆にマイナスであれば、何らかの改善が必要です。

この粗利益を見える化することで、「儲かっている部分」と「損している部分」が明確になります。ここが採算管理の出発点です。

 

ステップ3:固定費を配分して営業利益を試算する

粗利益だけでは、会社全体の利益構造は見えてきません。次に、家賃や光熱費、管理部門の人件費などの「固定費」を各部門に配分してみましょう。

配分方法は、売上比や人員数比など、会社の実態に合った方法で構いません。これにより、各部門の「営業利益(粗利益-固定費)」が見えてきます。

この段階で、「売上は多いけれど利益が出ていない部門」や「小規模でも高収益な商品」が見つかることがあります。

 

ステップ4:改善アクションを検討する

採算が見える化されたら、次は改善です。例えば、利益率の低い商品は価格を見直す、原価を下げる、販売を縮小するなどの選択肢があります。

また、利益率の高い商品に注力することで、全体の収益性を高めることも可能です。

価格転嫁を検討する際にも、どの商品にどれだけの値上げが必要かが明確になります。

 

ステップ5:定期的に見直す仕組みを作る

採算管理は一度やって終わりではありません。毎月、あるいは四半期ごとに見直す仕組みを作ることで、経営の舵取りがしやすくなります。

Excelで簡単なテンプレートを作成しておけば、毎月の数字を入力するだけで、部門別の

利益状況が自動で見えるようになります。

 

まとめ

採算の可視化は、経営の「羅針盤」を手に入れるようなものです。最初は手間に感じるかもしれませんが、少しずつでも取り組むことで、経営判断の精度が格段に上がります。

「どこが儲かって、どこが損しているのか?」を把握することは、価格転嫁や事業再構築の第一歩です。ぜひ、今日からできることから始めてみてください。

                                     

詳細なコンサルテーションが必要になる事もある場合はTASKSまでお気軽にご相談下さい。皆様の事業の成功を心よりお祈りします。ご一読有難うございます。

以上