中小企業診断士 佐藤正樹
生成AIの活用が一般化して、我々が面談に望む際にも社長が生成AIで作成した資料を掲示されることが増えました。事業計画書やその基礎資料も、提出先や作成する目的が明確な場合は、ある程度のものは生成AIで作成できていますので、経営コンサルタントとして、生成AIとの向き合い方を整理してみました。
ちなみに、AIについては趣味が高じて、大規模言語モデルがどのようにできているのか気になり、言語モデルのプログラムや、生成AIの理論書、果ては、ベクトルや行列など数学もおさらいして、自分のパソコンなどに組み上げるなどするほどはまりました。その中で実感したことは、AIは単なるプログラムであり、何かきっかけがないと答えが出ないし、そのプログラムも誰かが作った構造物であり、流動的なものであると理解できたことは収穫でした。
一般的にAIが人間より得意なこととして、「大量のデータを扱う」、「作業を高速に処理する」、「作業精度を維持できる」などがあります。私も、音声メモの文字興しやその整理などに活用していますし、関与先では、検査精度の維持ということで画像処理のレベルが過去に比べて何段階も深化しています。また、建築図面からの積算もAI-OCRで自動化されるなど進化に驚きます。
一方で、AIに難しいこととして、「問いを立てる」、「感情を理解する」、「五感などの身体感覚を感じる」などとされています。
これは、まさしくその通りで、社長との打ち合わせ20時間分を、生成AIは上手に論点などを整理してくれました。しかし、社長の感情が動く中で、相手となる人間が、その感情を理解し、適切な問いを立てているからこそのまとめになったと理解しました。
社長らとの面談は、まずは話を聞く「カウンセリング」、相手の考えを引き出す「コーチング」、方策を示す「コンサルティング」の3段階があります。カウンセリングとコーチングができてこそのコンサルティングであり、先の例はこれにあたり、経営コンサルタントの存在意義はここにあります。
AIは発展段階であり、経営コンサルタント業務の多くがAIに置き換わると予想されますが、当面は、AIにできない領域とされる、「問いを立てる」、「感情を理解する」という部分で会社や社長に寄り添いたいと思います。
以上
