中小企業診断士 大高 努
毎月の売上や利益、営業状況、生産計画、仕入れ状況など、経営に必要な情報はどのように管理していますか。
必要な人が、必要なタイミングで、いつでも確認できる状態になっているでしょうか。
担当者ごとにExcelや紙で管理しており、どの数字が最新で正しいのかわからない、ということはないでしょうか。
以下のような場面に心当たりのある企業も多いと思います。
- 会議のたびに資料作成に時間がかかる
- 現場の状況が見えず判断が遅れる
- 担当者しかわからない情報が多い
こうした状況を改善するためにポイントとなるのが、「経営の見える化」です。
そして、その実現手段として近年注目されているのが、ノーコードツールの活用です。
最近では、プログラミングの専門知識がなくても業務用のシステムを構築できる「ノーコードツール」が普及しており、現場の担当者や経営者自身が簡単に管理システムを作れるようになってきました。比較的安価に導入できるものも多く、中小企業にとって現実的な選択肢となっています。
そこで今回は、「ノーコードツールを活用した経営の見える化のポイント」をお伝えします。
※ノーコードツールとは、プログラミング言語を用いた開発を行わず、画面上の操作や設定だけで業務アプリや管理システムを構築できるツールのことを指します。顧客管理、案件管理、日報管理、売上管理など自社の業務に合わせたシステムを短期間・低コストで作成できる点が特徴で、専門のIT担当者がいない中小企業でも導入・運用しやすい仕組みです。
1.まずは見える化したい情報を決めましょう!
ノーコードツールは便利ですが、導入するだけでは効果は出ません。まずは、経営上の意思決定をするうえで、「何を見える化したらよいのか」を明確にすることが重要です。
売上・粗利の推移、案件の進捗、受注残、在庫、顧客情報、作業工数など、経営判断に必要な情報を洗い出してみましょう。経営者だけでなく、営業や製造など現場の担当者と話し合い、「どんな情報があれば判断しやすいか」を整理することが第一歩となります。
2.現場で使える仕組みにしましょう!
経営の見える化は、経営者のためだけのものではありません。現場が日常的に入力し、活用できる仕組みでなければ、すぐに使われなくなってしまいます。
ノーコードツールの大きなメリットは、業務の流れに合わせて入力画面や管理表を作れる点です。紙やExcelで行っている作業をそのままデジタル化するイメージで設計することで、入力負担を抑えながら情報を蓄積できます。
現場が「入力しやすい」「確認しやすい」という視点で設計することが、定着の鍵となります。
3.数字を可視化して共有しましょう!
データを蓄積するだけでは、見える化とは言えません。蓄積した情報を一覧やグラフで表示し、誰でも状況を把握できるようにすることが重要です。
売上や粗利の推移、案件状況、担当者別の実績などをダッシュボードとして表示すれば、経営者だけでなく社員も会社の状況を把握できます。情報が共有されることで、目標意識の向上や業務改善のきっかけにもつながります。
4.小さく始めて改善を続けましょう!
最初から完璧な仕組みを作ろうとすると、時間もコストもかかります。まずは売上管理や案件管理など、影響の大きい部分から小さく始めることをおすすめします。
ノーコードツールは、使いながら改善できる点が特長です。運用する中で「この情報も見たい」「ここを直したい」という要望を反映し、徐々に精度を高めていきましょう。
まとめ
情報が分散している状態では、迅速で的確な経営の意思決定は難しくなります。ノーコードツールを活用すれば、自社の業務に合わせた管理の仕組みを比較的低コストで構築し、「経営の見える化」を進めることが可能です。
重要なのは、目的を明確にし、現場で使える形で運用し、継続的に改善していくことです。まずは身近な業務から見える化を進め、経営の質を高めていきましょう。
ぜひ、ノーコードツールを活用した「経営の見える化」に取り組んでみてください。
以上
