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「社長が全部やる会社」の限界

〜組織にも“ハムストリングス”が必要だ〜

中小企業診断士 小野和斗

突然ですが、最近筋トレにはまっています。

コンサルらしく数値計画やKPIなどを設定しつつ、ベンチプレスやデッドリフト等のトレーニング、PFCバランス等の栄養管理、そして休養も重視しながら頑張っています。続けていくうちに、身体の使い方について色々学ぶ機会が増えました。

 

腰痛と筋肉の関係

その中で特に印象的だったのが、「腰痛」と筋肉の関係です。

私はもともと腰(脊柱起立筋)に不安を抱えていたのですが、調べていくうちに、単純に「腰が弱い」という話ではないことが分かってきました。実は腰(脊柱起立筋)が痛い場合、脊柱起立筋そのものに問題があるというよりも、脊柱起立筋に負荷が集中することで腰痛に繋がっている、ということが多いそうです。

 

本来、身体は「大臀筋(お尻)」「ハムストリングス(もも裏)」といった周りの筋肉がしっかり働くことで、腰への負担を分散する構造になっています。つまり、「腰だけ」で頑張る状態は危険なのです。

そしてこれは、中小企業の組織にも非常によく似ていると感じました。

 

社長が一番頑張っている会社

中小企業では、営業、現場、見積、採用、資金繰り、クレーム対応など、あらゆることを社長一人が担っているケースが少なくありません。

 

もちろん、それ自体は悪いことではありません。むしろ創業期や小規模事業者では、社長が先頭に立つことは必要不可欠でしょう。

しかし問題は、「社長しか分からない」「全部、社長判断」「社長が止まると会社も止まる」

という状態です。

 

これはまさに、“脊柱起立筋だけで身体を支えている状態”に近いのではないでしょうか。

 

組織にも“ハムストリングス”が必要だ

筋トレでは、腰だけで重量を支えるのではなく、「大臀筋」「ハムストリングス」「体幹」など、複数の筋肉を連動させることで、安定した動きが可能になります。

 

組織も同じです。

社長一人が頑張るのではなく、「幹部」「現場リーダー」「ベテラン社員」「若手社員」それぞれが役割を持ち、支え合うことで、組織は安定します。

逆に、社長だけに負荷が集中すると、「判断が遅れる」「属人化する」「社長が疲弊する」「人が育たない」といった問題が起きやすくなります。

 

「任せる」のは放置ではない

ただ、「社員に任せましょう」と言うのは簡単ですが、実際には難しいものです。

筋トレでも、いきなり重い重量を持てば怪我をします。まずは軽い重量から始め、フォームを正しく固めていきながら、少しずつ成長していきます。

組織づくりも同じです。

  • 小さな判断を任せる 
  • 一部の顧客対応を任せる 
  • 数字を共有する
  • 振り返りを行う 

こうした“小さな負荷”を積み重ねることで、人は育っていきます。つまり、「任せる」とは放置することではなく、「成長できる環境を作る」ということなのだと思います。

 

強い会社は「社長一人」でできていない

社長が頑張ることは大切です。しかし、「社長だけが頑張る会社」は、長期的にはどこかで限界を迎えます。

筋トレでも、腰だけに頼れば故障につながるように、会社もまた、一人に負荷が集中しすぎると持続できません。最悪の場合、社長が倒れてしまいます。

 

だからこそ、「社長以外の筋肉」を育てていくことが重要です。

組織にも、“ハムストリングス”が必要なのです。

以上